Date:Unbuild
Location:愛知県豊田市
Category:住宅
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構造/木造2階建
敷地面積/1149.139㎡
建築面積/1階 81.154㎡ 2階 33.124㎡
延床面積 114.278㎡
風景を纏う
愛知県豊田市の山間部の一角
四方を山林に囲まれ、隣地宅までも十分な距離があるという、自然を感じながら静かで穏やかな暮らしを送るには理想的な敷地である。
南には造成中の敷地があるが、計画地の方が高い位置にあり、住宅スケールでは持て余すほどの広い敷地で、かつ道路を挟んでいるのである程度の”引き”を計画することでプライバシーの確保も容易な敷地である。
当初、クライアントは平家を要望していた。
しかし、予算的に平家を計画すると様々なスペックを諦めなければいけなかった。
そこで、改めてクライアントの思いを汲み取っていくと、平家=地面を感じる生活という心理にたどり着いた。
プランで最重要と考えたのが「風景を纏うような生活」
借景のような見るだけの風景ではなく、この敷地に立ったときに見えてくる四方の山林や大地が生活の中に入り込み、限りなく”境界の感じない生活”を構築する事がこの敷地で暮らすことの特権だと考えた。
そこで、地面を感じる1階には高さを少しだけ上げた生活の舞台(ステージ)を設ける事とした。
大自然のなかにポツリと存在するプライベート空間のイメージ。
その舞台を取り囲むようにして、BUFFER空間をぐるりと配置することにした。
このBUFFERは中間領域というよりも、外部空間を溶かして内部へ導くような装置となっている。
そして生活の舞台からBUFFERにはみ出すように、少しラフな感じで生活雑貨品の居場所を設ける。
南側にはTERRACEを配置する。
これは将来、南の造成中の土地に住宅が建ったときのプライバシーを確保する”引き”になる。
そしてTERRACEを中間領域としてしっかりとした輪郭を持たせることで、BUFFERの輪郭がぼやけ、曖昧になってくるという効果を狙ったものだ。
BUFFERに計画したキッチンやBATHといった文化的営みの為に必要な箇所は、洞窟のような落ち着ける空間へとするために天井(2階)を重ねる事で洞窟のような安心感を感じれる空間へ変化させることにした。
この操作により、住宅建築という1つの気積のなかで多様な空間を構成する事を目指した。
この場所、この風景でしか成立しない、そんな”地に足がついた”ような空間体験のできる建築だと考えている。