設計事務所的デザイン論

初ブログです。

弊所は愛知県一宮市の設計事務所の”たてものかんぱにぃ”と言います。
初めて聞いた方は「ゆる〜い名前(ふざけた名前)」と思われるかもしれませんが
建築士・建築家の、いわゆる”先生”と呼ばれる人が運営している堅苦しいイメージではなく
人や物、様々な事に優しい空間を設計する事務所としていきたい

それと”〇〇設計事務所”というと住宅や商業施設などをメインとしている事をイメージされる方が多いと思いますが
弊所は建物を作る為の設計だけでなく
例えば「ここの休憩スペースに何か人が笑顔になれる仕掛けがあればなあ・・・」というような事も設計を通じて提供していきたい
そうなると〇〇設計事務所でなはく、もっとふわっとした名前の方が良いという思いから”たてものかんぱにぃ”と名付ける事としました。

さて、こういった仕事をしていると「設計事務所が言うデザインとは?」というギャップを目の当たりにする事が多いです。
弊所のような設計事務所(アトリエ系事務所と呼ばれる事もありますが)が唱えるデザインと
ハウスメーカーや工務店が唱えるデザインはどうやら大きな違いがあるようなのです。

大雑把ですが、ハウスメーカーや工務店が唱えるデザインは
「アクセントとしてここにタイルを貼る」
「クライアントが広いリビングを求めてるから上は吹き抜け」
こういう感じの何かを足していくプラスのデザインだと思います。

では、設計事務所のいうデザインと何が違うのか
これが結構根本的に違います。

例えば住宅でいうと
「光の反射感を強調したいから建具は存在感が出ないように極力シンプルに」
「このクライアントには家具はこういう機能は必要だけどああいう機能は不要」
というように、そこに本当に必要なものはどうあるべきかという事を1から考えていきます。
それを美しく整えていく事をデザインと言っています。

それと建具や家具やキッチンをメーカーの既製品ではなく造作で作る事が多いんですが
「造作だと高くなりますよね・・・」
と言われたりしますが
予算の中でいかに美しくまとめるかというのもデザインです。

具体例でいうと、弊社設計の一宮の住居(改修)は採光・通風の問題を抱えるLDKを建具で解決する
その建具は構造のようなどっしりとした安心感も欲しい
ただそんな建具は既製品では存在しない
だったら予算に合うように造作で作りましょう
とういった発想から始まっています。

一宮の住居(改修)

こういったデザインの積み重ねで建物1つを設計していきます。
アクセントで何かという発想は基本的に考えません(そもそもアクセントが必要な設計をしないので)
ですので、ハウスメーカーや工務店より時間も掛かることも多いのですが・・・(笑)

このように一言で”デザイン”と言っても大きな違いがあるようです。
ただ、どっちが正しいという事ではなく
「クライアントの感覚にどっちが合うか?」
という事が一番大切だと思います。